伊勢電気鉄道 松阪市内線(新松阪〜漕代)


 新松阪、花岡を過ぎると市街地からも離れ、東南東へ。
 徳和駅辺りからまた旧伊勢街道に近づき、櫛田川を渡る。櫛田川近辺には遺構がちらほら残っている。
 櫛田川を渡ると廃線跡は三重県道37号線「鳥羽松阪線」となり、明和町、伊勢市へ向かう。



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 花岡駅は新松阪駅から南東に600m程離れた場所にあった。松阪電気鉄道(松電)、後の三重電気鉄道松阪線をオーバークロスした所だ(A地点)。現在は大黒田南交差点。
 昭和7年(1932年)発行地図には松電の新道駅が載っているが、伊勢電の大神宮前までの開業に伴い、乗換駅として松電にも設置されている。新道駅は廃駅になった。
 交差点北側、民家の塀にオーバークロスの構造物の遺構が残る。
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2021.8.10撮影




 花岡駅から2.5km程で徳和駅に到着。徳和駅では省線参宮線(現在のJR紀勢本線)をオーバークロス。
 写真はJR徳和駅から撮影した。上に架かる県道756号線が伊勢電跡である。
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2021.8.10撮影




 徳和駅から県道を更に東へ進み、松阪商業高校を越えた辺りで廃線跡は県道から北へ逸れてゆく(C地点)。
  農地と民家を抜けて上櫛田駅跡に出る(D地点)。
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2021.8.10撮影

  県道から分かれて60m程、民家と畑を通り、旧伊勢街道から須賀神社へ向かう道に出る。その脇に鉄柱を切った様な跡があった。架線柱の跡か?踏切の跡か?(Ⅾ地点)。

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2021.8.10撮影

  須賀神社への道の東にある鰻屋さんの裏手辺りが上櫛田の駅が有った所だ。

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2022.10.14撮影




 上櫛田駅を過ぎると櫛田川を渡って漕代駅へ向かう。地図には「こきしろ」と表示されているが、正確には「こいしろ」である。
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 上櫛田駅跡から約300m東方にある用水路に、橋台跡が残っている(E地点)。
 橋台跡から50mの民家の塀は櫛田川へのアプローチ跡だ。

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2021.8.10撮影

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2021.8.10撮影

 櫛田川を渡る(F地点)一枚目の写真奥に見えるのは県道37号線(鳥羽松阪線)の櫛田橋だ。伊勢電気鉄道はその50m程上流を渡っていた(F地点)。痕跡は無い。
 参考文献の「近鉄の廃線を歩く」には田んぼに跨道橋の跡が残っているとあったが撤去されていた。

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2021.8.10撮影

 廃線跡は再び県道37号線と合流する(G地点)。合流する辺りが漕代駅跡。早馬瀬町交差点の西側だ。現在、南勢家畜保健衛生所となっている。バス停の跡が残っているがバス路線も今は無い。
 二枚目の写真は合流地点から松阪駅方面を見た所。

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2021.8.10撮影